静脈内鎮静法
静脈内鎮静法の適用について
年間の平均でインプラント手術の49%で静脈内鎮静法を行っています。また、インプラント手術以外の症例(抜歯・著しい嘔吐・歯科恐怖症など)は年間約30~40症例です。
- 2005年 108症例
- 2006年 115症例
- 2007年 180症例
- 2008年 142症例
静脈内鎮静法とは?
静脈内鎮静法は、向精神薬、鎮痛薬を組み合わせて静脈内投与し、治療に対する不安感や恐怖心を和らげるものです。 全身麻酔では、ありません。
静脈内鎮静法の目的は?
精神的緊張の緩和です。
痛みは?
鎮痛効果は不完全なので痛みを伴う治療には局所麻酔が必要です。しかし、健忘効果が期待できるので、治療中の不快な経験が残らなくてすむことが多いです。術中のことを、全く覚えて無い人もいます。
危なくないのですか?
意識を残した状態なので、患者様は術者の指示に従うことができ、生体の防御反応も保たれているので、安全性が高いです。
実際、どんな感じですか?
薬を投与すると、1~3分以内で眠くなり、寝てしまいます。
しかし、こちらが問いかけると、反応します。術中の事は、ほとんど覚えてないです。
当日の注意事項は?
- 通院手段
車や自転車の運転は禁止です。(術後は、眠く、ふらつくことがあります)
- 付添人
いなくても良いですが,いた方がbetterです。
- 食事
術前は,軽食 または 絶食です.術後は,食事できます。
- 体調の確認
悪ければ延期します。
- 服装
点滴をするので、腕をまくれる服装が良いです。
- お化粧
術直前は、口紅を取っていただきます。マニキュアはしないでください。コンタクトレンズも外していただきます。
- 常用薬
いつも通り服用してください。
- 術後
家に帰ってからは、安静にしていただきます。
帰りは、どうやって帰るのですか?
タクシーにてご自宅まで、お送り致します。遠方の方は、近くのホテルをお取り致します。[当院負担]
鎮静法をしても怖いですか?
最初は、怖いかもしれませんが、点滴をして寝てしまうので、その後は怖くありません。一度、鎮静法を受けた方は、次回も希望される方が多いです。
鎮静法は、年間どれくらいしてるのですか?
年間150~200人ぐらいが鎮静法で治療を受けています。
病気があってもできますか?
心疾患・高血圧・糖尿病・肝疾患・腎疾患・精神疾患等、術前に問診し、問題がありそうな場合は、医科に対診します。 疾患の程度によりますので、場合によっては、鎮静法ができない場合もあります。
実際のセデーションの流れ
モニター
血圧と血液中の酸素の状態を計測します
点滴をします (血管内には、ゴムチューブだけが留置されます)
薬を投与します
使用薬剤:ドルミカム等
ドルミカム:超短時間型ベンゾジアゼピン 血管痛 :なし
作用時間 :20~60分程度 鎮静作用:強い
覚醒 :2~3時間 呼吸抑制:強い
初回使用量:0.03~0.06㎎/㎏ (1.5~3㎎/50㎏) 循環抑制:中程度
維持使用量:0.01~0.02㎎/㎏ (0.5~1㎎/50㎏) 鎮痛作用:ほとんどなし
手術中は、薬を追加します。半分眠った状態です。
手術終了前、薬を追加しないので、だんだん起きてきます。
手術終了後、しばらく休んでいただきます。
なかなか起きない場合は、起きる薬を使用します。
意識、動作に問題が無いと確認した後、レントゲン撮影します。
タクシーで、家までお送り致します。